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PROJECT STORY 03

PROJECT STORY 03

「ライダーに心地良いフィーリングを。オートバイ用ハンドルスイッチプロジェクト。」

これまでにない小型化への挑戦。ステアリングスイッチプロジェクト。

オートバイの様々な機能の充実に伴い、ハンドルスイッチに搭載されるスイッチも増え、また、自動車用スイッチと同様に照明が設けられているものも増えています。一方で、ライダーの操作性と快適性向上のために、小型化や良質な操作感の追求もしなければなりません。限られたサイズの中でどうやって各機能・構造を組み込んでいくのか、試行錯誤がはじまります。
Hondaのオートバイ、Gold Wing GL1800搭載のハンドルスイッチ開発プロジェクトです。

4人の開発社員
開発評価  N.I.

営業  T.Y.

営業本部 第1営業部
2008年入社
担当業務:オートバイ用操作系スイッチ、センサー等の営業

開発評価 T.S.

開発本部 第6開発部
2004年入社
担当業務:オートバイ・ライフクリエーション製品の妥当性評価及び信頼性評価の実施、確認

生産技術  K.Y.

生産本部 生産統括部
2005年入社
担当業務:新規アイテムの工程設計

設計開発 N.K.

開発本部 第2開発部
2004年入社
担当業務:オートバイ用ハンドルスイッチの開発

目指すのは、機能と操作性の両立。

T.S.:
目指したのは、HondaさんのフラッグシップモデルであるGold Wingに搭載するにふさわしい高級感のあるハンドルスイッチです。アクセルをワイヤー式から電子制御式に変更したり、表示絵マークの照明をLEDにより配光したり、グリップヒーターを搭載したりと、オートバイのハンドルスイッチの中ではとても豪華な仕様となっています。また、機能だけではなくスイッチ操作時のフィーリングにもこだわり、従来よりソフトなフィーリングを目指しました。
N.K.:
技術的には、自動車用スイッチのフィーリング・機構をオートバイ用へ応用したものになりますね。ライダーはグローブを装着してスイッチ操作をしますし、耐水性も必要とされますので、もちろんそのままの機構が使えるわけではありません。こういった、オートバイ特有の使用環境を考慮して開発をしました。

オートバイ特有の課題に立ち向かう。

N.K.:
従来製品より搭載されるスイッチ数が増加したことで内部のハーネス数が増加してしまい、部品配置に制約が生じてしまうことが分かったので、基板を使用して回路をハンドルスイッチの中に搭載することでハーネスの本数を減らす工夫をしました。またLED照明については、オートバイの使用環境下を考慮すると、自動車用で使用していた部材をそのまま使うことができなかったので、新しい部材を探すところからはじめました。最終的にはなんとか最適部材を見つけて解決することができました。
T.S.:
製品評価においては、内部のスイッチ接点に関する部分で苦労をしましたね。オートバイは自動車と違いスイッチが露出していますので、耐水性能を確保する必要があります。あらゆる環境下を想定して性能評価を行いますが、一つ課題を解決するとそれが他の部材・箇所へ影響してしまうなど、全体的なバランスをとるのが非常に難しかったです。メンバー間で協力し合い、一つ一つ原因を解析して対策を検証しながら解決をしていきました。

T.Y.:
コストの点でも課題は多かったですね。これまでの製品と比べて非常に多機能なスイッチですので、組立の難易度が高く作業標準時間が長くなってしまうため、労務費の影響を大きく受けていました。チームで工場へ足を運び、工数削減の施策の検討を重ねました。
K.Y.:
はい、この点についても課題は多かったです。各スイッチを組み付ける工程では、スイッチ間の限られたスペースの中でハーネスの取り回しをしなけらばならなかったり、スイッチによっては注型・ポッティング工程があり組付け工数が掛かったり、また、組付け確認、接続確認検査を実施する工程も多く、ライン全体で良いバランスをとるのが難しかったです。最終組み立ての前段階として、まず各構成部材の小組へ組み分けしたり、右ハンドルスイッチと左ハンドルスイッチの供用ラインを設けたりと、工場と共にライン全体の効率をあげる施策を行いました。

※注型・ポッティングとは、部品などのケース内に液状樹脂を注入・硬化することで、電気的絶縁、固定、保護、防水、防塵、耐久性、耐候性等を向上させる手法

学びがまた、次の製品づくりへ繋がっていく。

T.Y.:
このゴールドウィング用ハンドルスイッチから、プリント基板を搭載した製品が増えましたよね。オートバイ向けスイッチに求められる多機能集約や、小型化の課題を解決できる技術として他製品でも展開されています。
T.S.:
はい、元々自動車用として多く搭載してきた技術でしたが、今回のプロジェクトを通してオートバイ向けに新しいノウハウがたくさん蓄積できました。技術として確立していても、想定される使用環境が一つ変わるだけで様々な課題が生まれるため、開発の初期段階での各部門との整合が非常に重要であることをあらためて学んだプロジェクトだったと思います。
N.K.:
自動車用製品とオートバイ用製品では用途や使用環境によりそれぞれ特徴があるので、両者の垣根を取り払うことでより良い製品の提案が、これからももっとできるのはと考えています。製品カテゴリーごとの考え方に執着せず、東洋電装製品としてベストな製品の開発をしていきたいですね。

T.Y.:
あらためて振り返ると、全体的に非常に難易度の高いプロジェクトだったと思います。お客様ともよくコミュニケーションをとって、良好な関係を築けたと思います。
これからも世界中の様々なユーザーの方たちが東洋電装製品に触れていただけるように、創業者がSPIRITとして伝えてきた、東洋電装という「和」を大切にしながら営業活動を続けていきたいと考えています。
N.K.:
今回は自動車用製品で使われている技術をオートバイ用製品に取り入れるという取組をしましたが、そのままでは搭載できない点を、両者に要求されている事項を理解し、その差異を埋めていくことで解決していきました。非常にやりがいがありましたし、様々な実験や調査をしたので多くの知識を得ることができました。
多くの開発経験と製造現場で学んできたことを生かして、今後も魅力ある製品の開発に携わり、世の中に貢献できるよう業務に従事していきたいです。
K.Y.:
量産に至るまで、本当に色々な課題や問題点がありましたが、プロジェクトメンバーや生産工場の協力のおかげで無事にプロジェクトを完遂することができました。今後はオートバイスイッチにおいてもさらに製品の進化が進み、タッチスイッチ等、新しい製品がでてくると考えられます。新しい部品構成や構造になっていくと思いますが、今回同様、各部門と協力しながらコスト課題を解決できる工程設計へ繋げたいです。生産スタッフとのコミュニケーションを大切にし、現場の声を反映した最適な工場ラインの構築をこれからも行っていきたいですね。
T.S.:
どんな製品も最終的にはユーザーの手元に渡ってライフサイクルを終えます。技術が多様化することにより、業務量も必然的に増えてしまい、どうしても時間との戦いが避けられませんが、効率だけを追い求めるのではなく、私たちが開発した製品をユーザーに最後まで安心安全に使用してもらうためにはどの様にしていけばいいのかを考えながら、この先も今まで以上に良い製品を世の中に送り出していければと思います。

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